【東京外国語大学】推薦入試合格体験記

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筆者は2022年に東京外国語大学英語科に推薦合格をしました。そこでこの記事では、これから推薦入試に臨む皆さんに向けて、筆者の合格までの道のりをお話します。

2025年2月現在、この時期から対策を練っている人は少数だと思います。しかし、早くこのページを見つけたあなたは合格に一歩近づきました。

この記事では、推薦入試対策に使った教材や方法などを詳細に紹介します。合格を勝ち取るための参考にしてください。

筆者について

まず、筆者は何者かというところからスタートします。

私は地方の公立高校出身で、2022年に東京外国語大学言語文化学部英語科に推薦合格をしました。

自分が受験生だった時、推薦入試の対策について解説しているサイトが少なく困った経験があります

特に英語科等の大語科は倍率も上がる傾向にあるので、是非参考にしてください。

推薦条件

本学・言語文化学部の推薦条件は、

1.調査書の学習成績概評A段階に属する者
2.英語4技能の資格・検定試験である、ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL、iBT、TOEIC L&R/TOEIC S&Wのいずれかにおいて、別表「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」で、B2以上を取得している者
3.世界のさまざまな地域の言語と文化を積極的に学ぶ意欲を持っている者
4.外国語の習得に意欲を持ち、外国語科目に置いて優れた成績を残している者
5.出身学校長が責任を持って推薦できる者
6.合格した場合には、必ず入学することを確約できる者

上記の通りです。

推薦入試を受けるまで

筆者は教科だと英語と世界史が好きで、大学では英文学の研究をしたいという思いを抱いていました

しかし外大は当時の自分にとっては高すぎる壁。そこで高校3年生の夏に、「英検準1級に合格できたら推薦入試に挑戦する!」と決め、高3の春から英語学習に本腰を入れ始めました。

うたらいす
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生徒会でもなく、課外活動もあまりしていなかった高校時代。でも、多様な価値観が交差する環境で刺激を受けながら、英文学に没頭したいという思いを強く抱き推薦入試に挑戦しました。

志望理由

以下、実際に志望理由書に書いた理由を箇条書きにしてみました。

・世界中から留学生が集まり、様々な価値観に触れられるグローバルな環境である
・多方面から物事を観察する力と柔軟な国際感覚を育むことができる
・「ことば」への多様なアプローチが可能(文学理論、翻訳論、歴史、言語etc.)
・リンガフランカとしての英語と、豊かな表現に富む詩的な英語という2つの可能性を探りたい

高校生の段階で大学でやりたいことが明確にある人は、はっきり言って少数派です。

筆者自身、漠然と英文学やりたい!という思いはあっても、なぜやりたいのか、学ぶことでどうなるのか、と聞かれたらうまく答えられませんでした。(ここを突き詰めて考えていく機会になるのが推薦入試です)

うたらいす
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教授方から見たらどんな高校生もほとんどが無知。そのため、研究に対する愛情や熱意が最も重要な評価基準になります。

対策スケジュール

推薦入試と一般入試を両立する学生がほとんどだと思います。両立は大変ですが、どちらかに疲れたらどちらかに取り組むという方法で気を紛らわせながら乗り切りましょう。


参考までに年間スケジュールを載せておきます。

4月~7月:一般入試に向けて復習と基礎固めを徹底する。

8月~9月:夏休み期間に基礎固め+二次対策を少しずつ進める。(この段階で滑り止め予定の私立過去問は1,2週、本命はサラっと解いて必要な力や傾向を把握しておく)

10月:志望校確定。(外大の二次対策に本腰を入れ始める)
推薦入試→本格的に推薦入試の準備にとりかかる。志望理由書や活動報告書の下書き作成し、先生に添削をお願いする。10月中旬ごろから、書類通過の合格を待たずに小論文・面接対策をはじめる。
一般入試→外大の英語・世界史は記述ゲーです。特に世界史の長文記述が特徴的なので、先生にほぼ毎日添削してもらいました。添削の際にトピックにまつわるプラスの知識を教えてもらうと、より記憶が定着しやすくなります。

11月~12月:小論文・面接対策を本格的にスタート。合格へ

うたらいす
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1年かけて常に英語力の底上げを徹底するのが外大合格の必須条件です。推薦や一般で色々な準備が必要ですが、英語から離れたら終わりだと思いましょう。

対策方法

一次審査(書類)

志望理由書

筆者は漠然と抱えていた「ことばって面白いなぁ」から思考を広げました。

「ことば」が好き←なぜ?どうして「ことば」が好きになったのか?
英文学に興味がある←なぜ?英文学と自分はどのようなつながりがあるのか?
国際交流に興味がある←なぜ?どのような経験から興味を持ったのか?
「ことば」に関係する仕事がしたい←なぜ?具体的にはどんなことがしたいのか?

などなど。書くために、まず最初に「なぜ」を追求する作業=自己分析を徹底的に行うことを心掛けましょう。

それをして初めて、自分が何を目的に大学に進学するのかに気がつくことができます。

うたらいす
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日頃から頭をストレッチさせて、まだ言語化されていないモヤモヤ部分を明確にしていくことが何よりも大切です。

活動報告書

この記事を読んでいる方の中には、「高校生活でなんの活動もしてないんだけど!」と焦っている方もいるかもしれません。

筆者の活動報告書には、

海外旅行中に英語を使った経験・亀山郁夫先生のロシア文学談義への参加・メリーランド大学のオンライン模擬授業・中日新聞の高校生記者活動

について書きました。

受賞歴や目立つ活動はありません。ただ自分の「好き」につながった活動をひねり出しました。

本当に何もしていない方は、これからすればいいんです。皆さんの「好き」が本物なら、何かしたいことは自ずと湧いてくると思います。

書類審査で意識したこと

提出書類は、何度も書き直して校正したものを出しましょう。

うたらいす
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先生に言われたことを参考にしつつ「自分の言葉で自分のやりたいこと」を書くということが一番大切です。

面接で話す予定のことを前提に、教授たちが興味を持ってくれそうな書き方をしましょう。

うたらいす
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話したい活動についての簡単な紹介・動機・学んだことを簡潔に書くとまとまりがあって、深掘りしやすい文章になります。

二次審査(小論文・面接)

夏休み頃から意識的にニュースを見るようにし、10月中旬から本格的に二次審査対策を始めました。ニュースを見ながら自分なりの感想を持ったり、親や友人と議論することで「自分の考えを持つ」という行為に慣れていきます。

小論文

10月からの本格的な小論対策は、樋口裕一先生の「読むだけ小論文が圧倒的にオススメです。

様々なトピックに対するわかりやすい解説と、豊富な例文を読むだけで自分の思考力に幅ができます。

また、小論文の過去問は合計10本くらい解いたと記憶しています。人文社会系、国際関連系の問題であれば大学は問わず解きました。

小論文は時間内にまとまった文章を書くことは当然です。いかにオリジナリティと論理性があるかが合否を分けます。

面接

面接は自分の伝えたいことを最も伝えられる貴重な機会です。

予想問題をネットで調べたり、合格体験記を読んだりして、聞かれそうなことを事前に調査しておきます。

対策の一つ目は、自問自答です。

うたらいす
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シャワー中や登校中時などのスキマ時間に自問自答をひたすら行いましょう。自問自答をすることで、考えの浅い部分に気がついたり、言語化できていなかった部分に光を当てられたりします。

対策の二つ目は、先生との面接練習です。

うたらいす
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何人かの先生に練習をしてもらいました。また、英語科の推薦は学部問わず英語での質問ターンがあります。少なくとも志望理由と将来の進路については英語でスラスラと話せるようにしましょう。

推薦対策中に読んだ本

半分趣味、半分対策で受験期は本をたくさん読んでいました。中でも役に立った本を以下に紹介します。

村上春樹と柴田元幸の対談記録「翻訳夜話」

村上春樹と柴田元幸が「翻訳」をテーマに語り合った本です。直訳と意訳の関係性や、翻訳の「成功」とは一体何かなど翻訳をめぐって議論が進みます。何気なく理解していただけの翻訳という作業が、莫大な可能性を秘めた魔法のように感じたことを覚えています。

星新一「A Well-Kept Life」

星新一のショートショート全17編の英語版。ただ意味を英語に訳すだけではなく、ニュアンスを翻訳しようとしている場面をいくつも見つけることができます。気になる方は是非手にとってみてください。

J.K.ローリング「Harry Potter」

言わずと知れた世界の名作「ハリーポッター」の原作です。私の英文学への憧れはハリポタが原点。「名前を言ってはいけないあの人」は「you know who」、「イッチ年生」は「Firs’-years!」など、なぜその日本語訳になったのかを考えながら読むことが面白かったです。また、ハリポタは外大英語科の共通言語なので、予め読んでおくと良いかもしれません!

さいごに

以上、東京外国語大学・言語文化学部・英語科の推薦合格体験記でした。

出願にあたって迷うこともたくさんあると思います。一般入試との両立に追われ、焦燥感や不安に襲われることもあると思います。

推薦入試は、真剣に自分と向き合う大切な機会です。合否に関わらず、推薦入試のための自己分析は必ず皆さんの将来の糧となります。少しでも興味があれば是非挑戦してみてください。

また、何か気になることがあれば答えられる範囲でお答えします!悔いの無い大学受験になりますよう祈っています。

1年後、みなさんとお会いできることを心待ちにしています。

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